知っておくべきFXの税金と確定申告

知っておくべきFXの税金と確定申告

FXで利益が出たら、原則は自分で確定申告をして税金を払う必要があります。なぜなら、FXには株の配当金のように源泉徴収される仕組みがないからです。申告をしないままにしておくと、無申告加算税や延滞税といった罰金が課せられ、最悪の場合は脱税として有罪になってしまうこともあります。こういったムダな税金を払わないためにも、きちんと申告をしましょう。

確定申告とは一年の収入と支出を申告して税金を支払う手続きのことです。

確定申告をしなくてもいい人

FXで利益が出たら全員が確定申告をしないといけないかというと、実はそうでもありません。中には確定申告をしなくてもいい人もいます。以下の条件に1つでも当てはまる方は、申告をする必要はありません

  1. 年収2,000万円以下のサラリーマンで、給与所得以外の所得が20万円以下の人
  2. 専業主婦や無職の方で所得が38万円以下の人 2018年度より、配偶者に関しては、60万円以下となります。
  3. パート収入が65万円以下で、FXなどの所得が38万円以下の人

つまり、たいていの人は、FXで20万円以上の利益が出なければ確定申告をする必要はありません。ここで1つ気をつけたいことは、上記の2と3の方がFXで38万円以上の利益が出てしまうと、配偶者控除(扶養)から外されてしまうことです。仮に配偶者控除から外れてしまうと、税額負担が増えてしまうので、気をつけてください。また、金額によっては、ご自身の「国民健康保険料」や「国民年金保険料」などの支払いが発生してしまいます。あらかじめ、このあたりの税負担がかかることも頭に入れておいてください。

経費とは

基本的には「FXの利益を上げるために使った費用」が必要経費となります。具体的には、以下のような費用が経費として認められます。

  • セミナー参加費用および交通費、宿泊費、投資家同士の情報交換に係る飲食代
  • 銀行の取引手数料および振り込み手数料
  • 書籍、新聞、有料投資情報などの資料代
  • FXの取引手数料
  • 取引用のパソコン購入費
  • プリンターのインク代
  • インターネット費用
  • プロバイダ費用
  • 郵便料金などの通信費
  • スマホ代(同じくアプリで注文する場合)
  • 事務用品(ノートやペンなど)
  • 家賃の一部(一室を使ってFXトレードしている場合)

とはいえ、何が認められるかは税務署の判断になので税務署が認めてくれなければ諦めるしかありませんが、上に挙げた例のほかにも思いつく限り必要経費として申請してみることをオススメします。そのためにも、領収書は捨てずにとっておくようにしましょう。

FXの確定申告の時期

FXの確定申告は毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得に対し原則翌年の2月16日から3月15日までの1ヵ月間に行います。

「FXで出た利益」とは、決済し、確定した為替損益とスワップ金利のことを言います。未決済の含み益は基本的に課税対象にはなりません。

FXの確定申告に必要な書類

FXで利益が出たとき

FXで損失が出たとき (損失繰越:最大三年間)

FXで発生した損失を繰り越す場合にはFXで利益が出た時必要な書類三点に加えて平成○○年分の所得税の○○申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」も加える必要があります

どちらの場合でも申告書に添付するものとして下記二点の書類が必要となります。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 年間取引報告書

源泉徴収票については、勤務している会社からもらってください。勤務していない方は不要です。

年間取引報告書はFX取引会社の専用ページから印刷するか、郵送してもらてください。

FXの確定申告の方法

確定申告書を作成する方法はいろいろありますが、代表的なものは次のとおりです。

  1. 国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」に自分のパソコンでアクセスし、必要な情報を入力、プリンタで申告書を印刷して郵送または税務署に持ち込む。
  2. 税務署や最寄りの還付申告センターに設置しているパソコンで作成、その場で提出する。
  3. 税務署や最寄りの還付申告センターで確定申告書の用紙をもらい(納付がある場合は税務署から送付される事が多い)手で書き込んで申告書を作成、郵送または持ち込みにより提出する。
  4. e-Tax(国税電子申告・納税システム)により、インターネットを経由して電子書類の送信により申告する。

特に4.のe-Taxは自宅で完結(必要書類は自分で保管する)できる上、納税・還付までインターネットバンキングでできるので大変便利です。ただし、e-Taxの利用には「電子証明書」の取得やICカードリライタの取得設定、開始届出書の提出と利用者識別番号の取得などが必要となります。詳細はe-Taxのホームページでご確認ください。

FXの税金制度の概要

FXでの利益に対しては他の所得と区分し「先物取引にかかわる雑所得等」として所得税15%+地方税5%(※2013年~2037年は、所得税に対して2.1%復興特別所得税が課されるため、期間中の税率は所得税、住民税合計で20.315%)が申告分離課税として課税されます。

FXと他の「先物取引」との損益通算

尚、FXで利益が出た場合でも、同じ「先物取引」に分類される商品先物取引、日経225先物などの有価証券先物取引、有価証券オプション取引、金利先物取引、金融オプション取引、カバードワラント取引で損失があれば損益通算(FXの利益を他の先物の損失で相殺し、利益の金額を減らすこと)することができます。しかし、現物の株式の取引での損失等「先物取引以外の損失」とは損益通算できません

FXの損失の繰越控除

逆にFXの取引で損失が生じた場合、他の「先物取引」との損益通算によっても損失が埋まりきらない場合には、確定申告を行い「申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」及び「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を提出することによりその損失金額を翌年以降3年間にわたりFXを含む「先物取引」の利益と相殺することができます

詳細は以下の関連国税庁ホームページをご参照ください。

外国為替証拠金取引(FX)の課税関係

先物取引に係る雑所得等の課税の特例

先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

FXの税金を支払わなくてよいケース

給与所得者

給与所得者のうち給与収入が2000万円以下で、給与・退職所得以外の所得の合計(FXの利益を含む)金額が20万円以下の場合、確定申告をする義務がないので結果としてFXで得た利益に対する税金を払わなくてすみます。

ただし、この場合でも20万円以下のFXで得た利益が「免税」となっているわけではありませんので、例えば住宅ローンの控除を受けるために確定申告をするようなケースではFXの利益が20万円以下であっても申告の内容に記載して納税しなければなりません。

年金生活者

同じく、年金生活者の場合であれば、公的年金等の収入金額が400万円以下でかつFXを含む公的年金にかかわる雑所得以外の所得金額が20万円以下であれば確定申告を行わなくてよいのでFXの利益に対して課税されないこととなります。

個人事業主

個人事業主場合は、年間所得が基礎控除を上回る38万円以上の場合や、赤字を繰り越す場合にはすべて確定申告を行う必要がありますので、20万円以下のFXの利益でも申告しなければならないケースが多いでしょう(事業にかかわる年間所得が38万円以下でFXを含む雑所得の合計額が20万円以下の場合は確定申告不要なので給与所得者や年金生活者と同じ)。